アニメーション、折りにふれて 高畑勲
http://d.hatena.ne.jp/kingfish/touch/20140505

「巻き込み」型アニメを憂う

(略)
 たとえば、個人ですべてをCG制作したことで評価された『ほしのこえ』という中編アニメがある。
(略)特徴のある絵ではないしアニメートもほとんどなされていないけれども、映像の出来は決して悪くない。

 私はこれをまったく評価できず、ワンアイディアによる「(子供ではなく)青年だまし」で、「くだらない」としか思わないが、
巧みな表現によって社会性のない現代青年の心をくすぐり、琴線に触れることができたようで、売れ行きもよく、いくつか受賞もした。
要するに、作者はみずから作り手になることによって見事に「そういう世界から卒業・脱出しないまま、それでも現実を生きる」ことに成功した一人であり、
「卒業」や「自分の非成長の確認」をしたくない若者に支持され、その現象全体を情報メディア産業(とは何のことか分からないが)推進派の脳天気なおじさんたちが追認したのだと思われる。

[脚注:「急いで言いそえなければなければならないが、これはこの段階での評価であり、作家の道を歩み出した作者が、
その社会生活のおかげで、以後、もっと社会性のある作品を作りはじめる可能性は充分にある。」]