駄作,という評価でいいと思う。理由は話としてまとまってないから。

千と千尋の神隠しみたいに少女(と海洋学者陣営)だけが経験するひと夏の特別な体験なんだけど,やったことが大掛かりかつ投げっぱなしで「日常に戻る」に着陸できてないし,体験で得た世界観念や生命観が仲直りに活きていない。

ジュゴンの子供がニュースになってない?勝手に船出された水族館側の管理責任は?飲み込まれてから肛門まだかよ?と話を阻害するファクターが多すぎるのはまあ自分が年取ったせいだろう。

キス,腹で鳴る隕石,クジラが飲み込んでからの祭り,アングラの語り,軍艦(調査船?)のハイビスカス,へその緒の切断。
それら全部が「それっぽさ」の粋を出ておらず,やったことが「火の鳥の焼き直し」であるなら逆に「なんでまとめられなかったの?」と実力不足を非難されて然るべき。

鉄コン筋クリートでは最初から非現実を描く潔さで,その中でキャラの行動が完結していた。千と千尋の神隠しは現実と非現実のパートをしっかり区切り,その中で少女の欠点と成長を明確に描いた。
原作は未読だが,これはただ幼い子供の妄想を取捨選択して形にする努力を怠ったような,そんな「まとまりのない何か」でしかない。

故に評価以前の問題,つまり駄作であると結論付けられる。