https://eiga.com/news/20190803/1/

映画を見て、主人公である帆高の過去や家出の理由が描かれなかったことが気になった人も多いだろう。
新海監督のなかで多少の迷いはあったそうだが、企画当初から考えていた「前を向いたまま止まらずに転がり続ける少年少女の話」を貫徹させるため、帆高の人物像は変えなかった。

新海「主人公が過去のトラウマを克服するために何かをさせるのは、気分として今回はやりたくないなと考えていました。
仮に描いたとしても、凡庸などこかで見た話にしかならないと思いましたから」

あえて主人公の過去を描かないことに賛同し、「絶対にいらないと思う」と後押しした川村は新海監督の意図についてこう語る。

川村「1900万人を超える方に見ていただいた『君の名は。』のあとの映画だからこそ、多くの人にとって『天気の子』が“当事者の映画”になってほしいなと思っていました。
みんな子どもの頃に、家や学校、住んでいる町から一度は出てみたいという思いにかられたことがあると思うんです。
作中で具体的な過去エピソードを描くよりも、まったく描かないことによって見る人が自分の人生で補完するようになればという話をしました。
かつては帆高のような思いがあったけれど、社会と折り合いをつけた須賀のようなキャラクターもいる。
大人の観客にもかつて誰かを強く思っていたことを思い出してほしい。そんなふうに、子どもや大人、おじいちゃんおばあちゃんまで、みんなに当事者になってほしいと願いながら、
新海さんと何を描いて何を描かないかを決めていった記憶があります」