11年経つ。
あの日観た映像はまるで違う国のことのようで、小学生だった私にとっては「大変なことが起こっている」くらいの認識だった。

幼いすずめは4歳くらいの設定で、感情や環境を言語化できず、ぼんやりと「楽しい」とか「怖い」という記憶が残る年齢だと思う。
当時ちょうどそのくらいの年齢だった子供たちが高校生ほどまで育った。
思考し、様々な感情を受け入れる心が育まれつつある今だからこそ新海さんは地震をテーマに映像にしたはずだ。(もちろんまだ傷が癒えるほど年月が経っているわけではないという意見もあると思う。)
そして渦中にいたのにどこか蚊帳の外だと感じていた私も改めて考えさせられている。

この先十年経った時には震災のことは薄れてしまうだろう。
定期的に当時の記録や記憶を忘れないためにも、リアルになりすぎない程度に希釈し、今回のように主人公の年齢が合っている作品を観たいと思った。

また、主題と違う部分もよかった。
叔母さんがすずめに言ってしまった心の奥深く気持ちに対して、「でも人間の気持ちってそれだけじゃない」という当たり前のことに気づかせてくれたことが嬉しかった。