https://numagasablog.com/entry/2022/12/09/180844

それでも、私が良い映画…というか良い創作物の条件だと考えているものが2つある。それは「見たことのない何かを見せてくれること」、そして「他者への想像力を拡張してくれること」だ。本作は獰猛なまでに大胆なアニメ表現によって前者を、深みのあるリョータの物語によって後者を満たしてくれた。この基準から言えば『THE FIRST SLAM DUNK』は、紛れもない傑作と言わざるを得ない。

 たしかに、スラダン原作や昔のアニメの熱心なファンが本作をどう思うのか、原作うろ覚え勢としては検討もつかない。私の観測範囲では称賛の声が非常に多いとはいえ、けっこうな熱量で反発してる「オールドファン」の声もちらほら目にする。ただ言わせてもらえば、もしもずっと好きだった作家が、自分の過去作をベースに、これほど革新的かつ真摯な作品へと飛躍したのなら、私なら心から誇らしく思うだろうし、そんな作家を愛した自分の目は間違ってなかった、と感動することだろう。だからお前もそう思うべきだ!…とは決して言わないが、できる限り思い込みやこだわりを捨てたオープンな心で、天才の頭の中を覗いてもらえればと思う。