【3000万部のキッカケ】

原さんが、実は、このキングダムですが、最初は全然人気がなかった。掲載も最後のほうだし、もう終わるかもと思っていたと告白した。

それで、修行時代にお世話になっていた『スラムダンク』の井上雄彦さんに、アドバイスをもらおうとしたらしい。井上雄彦さんの『リアル』の打ち上げパーティーに招待されたときに、よし、会ったときに聞いてみようと思ったというのだ。

それで実際に会った時に行動にでたようだ。人気がないんですけど、今後どういう物語展開にしていけばいいのかみたいなことを聞いた。ストーリーについて聞くと、井上雄彦さんは、違うと。そうじゃないぞと、言ったらしいのです。

「ストーリーじゃなくて絵だ」

しかもたった一点、井上雄彦はこういったという、

「目だよ。目。主人公の黒目が小さすぎるんだよ。信の黒目を大きくしろ」

目ですか?と、原はおどろいてそういったのだと。黒目が小さいから、エネルギーというか、信念というのかそういうのが伝わってこないのだ、だから信の目をとりあえず大きくしろと。

それで、原さんは早速黒目を大きくした。すると、早速結果がでてきて、ぐんぐん順位があがっていったのだと。

鳥肌がたった。

なんということなのだ。プロの、その道に精通している人の一言ってのは、いったいどれだけの価値があるのか。原さんは、はっきりと言っていた。その一言がなかったら、連載は絶対に終わっていたと。

さらに原さんは、それから、絵をさらに意識するようになり、上手くなっていったとも言っていた。

神のような一言を授けてくれた井上雄彦の言葉を原さんは一生忘れないだろう。