『果てしなきスカーレット』AP評・星2つ 想像力が重荷となった異界のハムレット
https://newsphere.jp/culture/20251216-1/

「ハムレット」を超現実的な冥界へ移植した日本のアニメが、平均的なアニメ映画より野心的であることは誰もが認めるだろう。大半のカートゥーン、あるいは実写映画と比べても、『果てしなきスカーレット』の問題は想像力の欠如ではない。想像力が過剰なのだ。

『おおかみこどもの雨と雪』や『サマーウォーズ』も手がけた細田には、視覚的に複雑なアニメ世界を構築しつつ、実存的な理念を子供のような真摯さで追いかける並外れた才覚がある。だが『果てしなきスカーレット』は、バロック的な造形、感情、スケールが過剰になり、それが作品を沈めてしまう。過ちとして許せる種類の失敗でもある。手を伸ばしすぎて失敗するのなら、せめて「ハムレット」を途方もなく野心的に翻案した試みであってほしい。

『果てしなきスカーレット』は散漫で退屈になりがちだ。ローゼンクランツとギルデンスターンまで登場する。もしこの異界がスカーレットの傷ついた良心の地図だとするなら、復讐と赦しの戦いは鈍く単純化されて感じられる。まさに苦難の海である。細田は、物語に内面性を与えようとする(それは「ハムレット」の小さくない要素だ)が、そのために聖の過去を使い、シェイクスピアの苦悩を現代へと縮約していく。