クローディアスとその部下たちが全員死の世界に転生していて、スカーレットが復讐する構図がそっくりそのまま死の世界に再現されている。

そのおかげで、スカーレットが復讐するというプロットが成り立つ訳だけど。

「なぜそうなるのか」が欠けてるので、やはりここも「スカーレットが復讐するというプロットを成り立たせるためにそうなってる」としか受け取れないことになっちゃいます。

また、なんかヘンテコなのは、王とその部下たちが揃って死んでいるということは、現実世界ではもう見事に復讐は完遂されちゃってるということなんですよね。

クローディアスだけでなく、その派閥も全員揃って全滅しちゃったみたいなので。王国は平和になり、民衆も救われてしまってますね。

だから実のところ、スカーレットは復讐する必要もない。それこそ因果応報、神様の采配で、悪い奴が全員「うっかり」消えてしまっているのだから。

スカーレットに復讐させるためにそういう設定にしてるのに、その設定のせいでスカーレットが復讐する必要もなくなっている。堂々巡りだ…。

この、設定がぐるぐる回って訳のわからないことになってる感じ。これも、本作を観ていてモヤモヤするところなんですよ。

クローディアスが悪政を敷いていて、最後の方では民衆が城に押しかけ、王を引き摺り下ろす革命になっていく。

スカーレットは父を殺した悪臣を取り除き、仇であるクローディアスを追い詰めていく。

…って、これ本来なら現実世界でやるべき展開ですよね。

この展開を現実世界ではなく、死の世界でやっていることには、いったいどんな意味があるのだろうか。

そして、本来そうでなければならない展開を死の世界でやっちゃってるので、現実の世界では「誰の努力の結果でもなく、己が手を汚す復讐でもなく、民衆の血の汗による革命でもなく、たまたま悪政が取り除かれ平和になった」ことになっていて、主人公はすべてが理想的にしつらえられたそこへ帰っていくことになります。

悲劇である「ハムレット」と比べるまでもなく、なんぼなんでも安直なハッピーエンドに見えてしまう…。
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