まりさ、ありす、ぱちゅりーは未成熟の茎を十数本生やして、虚ろな顔のまま、小さく黒ずんでいた。
 蟻の群れがたかって、遺骸を少しずつ削り取っていた。
 れいむも死んでいたのだが、例外的に彼女は、しぼんではいたものの、黒ずむほどではなく、茎も生えていなかった。
 もちろん、それで何かが慰められるわけでもないが。
 外部れいぱーありす集団の犯行だと思われる。なぜなら、飼いありすは去勢されていたのだから。
 それに、飼いゆっくり達が反抗した形跡が無かった。おそらくかなりの数のれいぱーありすに不意を突かれたのだろう。

 小屋の中には、奇妙に生臭くて甘い臭いが漂っていたらしい。精子カスタードが小屋中にまき散らされていた。
 もちろん、ゆっくり達の死骸にも。
 れいぱーありすのごく一般的な特徴だ。
 そして、目撃者はなし。おかしな騒ぎも聞こえなかったという。
 仮に何か音がしても、雨にかき消されたのだろう。
 幸いというべきか、ゆっくり小屋が庭にあるので、家の中は荒らされなかった。

 この家では、進入口をほったらかしにした不注意さがあった。
 もし、正門ゲートが地面すれすれまで閉じるものであったなら。
 もし、雨を逃がす穴に金網でも張ってあったなら。
 未然に防げた犯行かも知れなかった。
 とはいえ、れいぱーありすの第一事件だから、警戒をしていないのも仕方がない。