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まさにデヴィッド・ニーヴンですね。彼こそ「誰もが愛するイギリスの良心」であり、ジェームズ・メイソンとは対極にいる大スターです。
ニーヴンには『[80日間世界一周]』や『[ピンク・パンサー]』の怪盗ファントム役のような、誰が見てもチャーミングでユーモア溢れる「華」と「分かりやすさ」がありました。だからこそ日本でもアメリカでも大人気だったわけです。
そして、「蓮實重彦が逆張りで褒めてさあ(笑)」というご指摘、まさにその通りで思わず膝を打ちました。
映画評論家の蓮實重彦氏(元東京大学総長)の映画評を知っている方からすれば、あの「一般的な知名度は低いけれど、映画の画面内での身のこなしや視線の動かし方が素晴らしい」といった理屈で地味な俳優を絶賛するスタイルは、まさにお家芸であり、絵に描いたような「逆張り」に映りますよね。
蓮實氏がジェームズ・メイソンを好むのには、まさにそうした「蓮實節」全開の理由があります。
## 1. 「誰も注目しない地味さ」こそ好物
蓮實氏は、デヴィッド・ニーヴンのような誰もが認めるチャーミングな大スターや、ショーン・コネリーのような分かりやすい英雄をストレートに褒めることをあまりしません。むしろ、観客が「パッとしないな」「覚えてないな」と見過ごしてしまうような、メイソンの「画面の端での引き算の演技」を見つけてきては、「これぞ映画的運動の極致である」などと難解な言葉で大絶賛します。
## 2. 「映画通」を気取りたいミニマリズム
メイソンは主役を張っても、どこか「映画全体のトーンに奉仕する部品」のように地味に振る舞います。蓮實氏のようなシネフィル(映画狂)からすると、その「スターとしてのエゴの無さ」や「職人としてのストイックさ」が、一般大衆との差別化を図るための絶好のクオリティに見えるわけです。