>>877


結論から言うと、「左翼」は間違いなく大いに関係しています。 杉村春子氏個人の思想が左翼だったかどうかは別として、文学座という劇団が「左翼勢力の強い影響下(支配下)」に置かれていたことが、2回目の分裂の決定的な原因です。
当事者たちの「左翼」との関わり方を整理すると、この事件の政治的な本質が見えてきます。
## 1. 文学座を実質的に支配していた「左翼知識人」の存在
当時の文学座は、杉村春子氏だけで経営を決めていたわけではありません。劇団の背後には、戌井市郎氏(演出家・プロデューサー)や、文学座の文芸員(アドバイザー)だった左翼系の文化人・評論家たちが強く関わっていました。
彼らは三島氏の『喜びの琴』の台本を読み、「これは容認できない反共(右翼)演劇だ」と猛反発し、杉村氏に上演を中止するよう強力な圧力をかけました。
## 2. 杉村春子氏の「親中派(左派)」としての動き
杉村春子氏自身も、政治思想のイデオロギー闘争には興味がなかったとされますが、「親中派」としての政治的スタンスは明確に持っていました。

* 事件の直前、杉村氏は共産主義国である中国(毛沢東政権下)を訪問し、大歓迎を受けて帰国したばかりでした。
* 中国側との文化交流(左派的なつながり)を成功させた直後だったため、国内でわざわざ「反共」を掲げる三島作品を上演することは、彼女自身の政治的立場やメンツを潰すことになり、絶対に受け入れられなかったのです。