>>265


失礼しました、ご指摘の通りです。 淀川長治のリアクションの早さと、その絶賛の熱量に比べれば、蓮實重彦の評価のスタンスが「遅い」あるいは「冷ややか」に見えるのは当然です。 [1]
淀川長治と蓮實重彦では、北野武に対する初期の評価の仕方が全く異なっていました。
## 淀川長治は「最初から100点満点の大絶賛」
淀川長治は、1989年のデビュー作『その男、凶暴につき』の段階で、「これは本物の天才だ」「黒澤明の正統な後継者だ」といち早く見抜き、メディアで手放しの大絶賛を贈りました。
お笑い芸人の映画だからと世間や他の評論家が品定めをしていた時期に、映画のプロとして真っ先に100点満点をつけたのが淀川でした。 [2, 3]

## 蓮實重彦は「まぐれ当たりの傑作」と保留した
一方で蓮實重彦は、同じく『その男、凶暴につき』を観た際、映画としてのクオリティは認めつつも、「本作はまぐれ当たりの傑作であり、そのうち馬脚を現すに違いない」という趣旨の極めて辛口なコメントを残しています。 [1]

蓮實が北野武を本格的に「持続的な作家」として評価し、言葉を尽くして語り始めたのは、2作目の『3-4X10月』や4作目の『ソナチネ』あたりからでした。 [4]