⑤模範的な店主と模範的な常連
アングリングで見たとある駅から近いプロショップに到着しました。
照り返しと川からの下水臭が強い季節です。小さな勇気を振り絞って扉を通ります。
店内は所狭しと少し乱雑にフライ製品が並べられ、数人の常連がたむろし、こちらを一瞥します。「あー知らないヤツ来たな、どうせ俺よりフライに詳しく無い初心者だろう」「変な質問したら揶揄ってやるか」「どうせ金ねーんだろ」そんな目つきでこちらを品定めしています。
3人とも同世代に見えるが同じ学校の幼馴染風で、やり場の無い人生の時間をフライに興じてるのでしょう。だが店主は人が良さそうな方で、空気を察してこちらの歩み寄って話しかけて来ます。「いらっしゃい お探しの物ありますか、ゆっくりして行って下さいね」とだけ話してカウンターに戻ります。常連の1人がロッドを予約するのか会話をしておりその会話だったようです。
タイイングコーナーのバイスやマテリアルなど使い方がさっぱり解らないコーナーは通り過ぎてロッドコーナーに展示されてる、SAGE RPLの完成品を展示品を見つけれました。赤札で値引き表記がされており、恐る恐る触ってみます。
ブランクの薄いブラウンが綺麗で引き込まれます。手に取った所で店主が話しかけます。「5番ですね。湖海ですか?」と話しかけてきます。ハヤからダブルホールを学びニックジャガーから体の使い方を学んだので自信は有ります。「両方行きたいので5番にしようと考えてました。」と告げると少し困った顔をして「来週新型のRPLプラスが入荷するの来れないですか?」との言葉でした。続けて「本数が少ないので次はずいぶん先になるね」との事でした。
その時、さっきの常連が聞こえるような声で話しているのが聞こえます。「ダイワのセットロッドとSAGEじゃ凄い出世だな。本人はパッとしないが」とちょっと背が低く体格の良いのが聞こえるように話しています。
店主にまた来週見させて頂きに来ます。と軽く会釈して店を後にしました。
そのビルの前で3人が出てくるのを、電柱の横でタバコを吸いながら待つことにしました。

つづく(予告:ジェットストリームアタック粉砕)